『LIMBO』ゲームレビュー|緊迫感が心地よい、至高の『死にゲー』

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例によってPS+でタダだったので、THE SWAPPERと併せてダウンロード。
以前に友達から「いいよ」とは聞いていたのだが、
注目タイトルの発売が重なったり、仕事が忙しかったりで中々手が出せなかった。
ようやくプレイ出来た。
大変満足。

 どんなゲーム?|良質の「死にゲー」、「気付きゲー」

断りを入れておくと、このゲームは万人向けのゲームではない。
トラップが各所に用意されていて、
トライアル・アンド・エラーで攻略法を探していくのが主な流れとなる。
いわゆる「死にゲー」ってやつだ。
だが細かく用意されたオートセーブポイントや、
ゲームの難易度を損なわない程度に快適な操作性によって、
プレイヤーのリトライ精神を巧みに引き出している。

ステージに仕掛けられた多種多様なトラップ。
コントローラーを放り投げたくなるような理不尽さに感じることもある。
だがよくよく辺りを見渡せば、攻略のための「気付き」が必ず用意されている。
気付きから正解に辿り着いた時の快感は今更改めて説明するまでもないだろう。

逆に、感覚的で爽快なアクションを楽しみたい人にはおすすめできない。

ここが好き!|緊張と同情

このゲームの魅力は緊張感だ。
モノクロで描かれた静かな森が、暗がりに隠された数々の罠が、
プレイヤーの緊張感を高めていく。

また、主人公は少年の姿をしている。
妹を助けに来たという少年に襲いかかる災難は、絶句してしまうほどに容赦がない。
正直、スタッフの神経を疑うレベルで容赦がない。
その痛々しさというか、悲惨さが、彼を庇護する気持ちを増大させていく。
同情が、このゲームの独特な緊張感を作り上げている。

加えて触れておきたいのは、この作品のストーリーについてだ。
「運命に逆らい、妹を探して少年はLIMBOの世界に足を踏み入れる」
カタログにはそう書いてある。
ストーリーがこれ以上語られることはない。
この姿勢はこのゲームにとてもマッチしていたと思う。
決して明かされない謎が、プレイヤーの想像力を苗床に、
森の不気味さを掻き立てていたのだ。

そしてもうひとつ、最後に言及しておきたいのは、
「このゲームは決してホラーゲームではない」という点だ。
私はホラーゲームが苦手だ。好きなんだけど苦手。
『SIREN』とか『F.E.A.R.』とか、
とても好きなんだけどひとりじゃとてもプレイはできないチキンハートだ。
そういう人間が不安や恐怖を抱きながらもプレイできる、
数少ないゲームのひとつであったことを、
同志諸君のためにも証言しておきたい。

まとめ

子供の頃、近所の雑木林の暗がりに感じた恐ろしさ。
それを膨れ上がらせて形にしたようなゲームだった。

自分で言うのもなんだが、なかなか的を射て言い表せているのでは。
このゲームから与えられる恐怖は、
要するに子供心に映る未知や不安の類であるように思うのだ。
そのためか、どこか懐かしさも感じた。私だけだろうか。

このゲームもTHE SWAPPERと同じく、
リーズナブルな値段で、コンパクトで、
普通に暮らしていたら気付けないような心象を抱かせてくれる作品だ。
日がな休日、持て余した暇を豊かな体験に変えてくれる。
そして簡単に気軽に手を伸ばせる。
こういう小さなゲームにも、もっとスポットライトが当たって欲しい。