『エセ芸術家 ニューヨークへ行く』ゲームレビュー|知ったかぶりを探しだせ!

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今回紹介するのは「エセ芸術家 ニューヨークへ行く」
オインクゲームズが送る、お絵かきを使ったパーティゲームだ。
お絵かきを使う、と言っても画力はまったく必要ない。
棒人間すらまともに描けないような絵心ゼロ人間でも、このゲームは無問題。
私のことだけど。

深く構えず、わいわい笑いながら楽しめる。
でもしっかりジレンマも用意されていて、悩んで考えてプレイできる。
トランプみたいに気楽に集まってゲームしたい時に最適だ。

どんなゲーム?|芸術家の中に紛れ込んだ、エセ芸術家を見つけ出せ!

まず、このゲームにある3つの役割を紹介しよう。
プレイヤーは〈出題者〉〈芸術家〉〈エセ芸術家〉に分かれて対戦することになる。

〈出題者〉の役割はお題を決めることだ。
「ライオン」「冷蔵庫」「ギター」など、誰でも知っている物であればなんでもよい。
〈芸術家〉〈エセ芸術家〉はこのお題に沿って絵を描いていくことになる。
〈出題者〉〈エセ芸術家〉が勝つと勝利だ。
〈エセ芸術家〉が勝ちやすいお題を考えてあげることが肝要だ。それが難しいんだけどね。

次に〈芸術家〉
彼らは〈出題者〉が出したお題に従い、絵をひとり一筆ずつ描いていくことになる。
〈芸術家〉はひとりだけ紛れ込んでいる〈エセ芸術家〉を見つけ出せれば勝利になる。
ただし、エセ芸術家にお題がバレたら負けになってしまうので注意が必要だ

最後は〈エセ芸術家〉。このゲームの花型だ。
〈エセ芸術家〉もお題に沿って一筆ずつ描いていくことになるのだが、
エセはこのゲームの中でひとりだけ、お題がなんであるかを知らされない。
ではどうするのかと言えば、あたかも本物の〈芸術家〉であるかのように、
お題を知ったかぶるのだ。
〈エセ芸術家〉〈芸術家〉にエセであることを隠し通すか、
お題を言い当てることができれば勝利となる。

さて、次はゲームの流れを説明する。
用意するのは人数分の出題カードと絵を描くための紙だ。
まずは適当な手段で〈出題者〉を決める。
出題者は出題カードの1枚に「✕」を書き、お題を決めて残りすべてのカードに書き記す。
そしてジャンル(お題が「ライオン」ならジャンルは「どうぶつ」といった具合)を宣言する。
そこまで終わったら、出題カードを他のプレイヤーに配る。
この時、「✕」を引いた人が〈エセ芸術家〉
だ。

出題カードを引いたら、〈芸術家〉〈エセ芸術家〉はペンを取り、
順番に一筆描きしていき、全員が2回ずつ描いたら投票タイムだ。
〈出題者〉の声掛けでエセだと思う人を一斉に指さす。
最多投票を集めた人がエセ
でなかったらその時点で〈エセ芸術家〉の勝利だ。

もし、エセが最多投票を集めてしまっても、彼にはラストチャンスがある。
エセがお題がなんであったか言い当てることができた場合には、
これも
〈エセ芸術家〉の勝利となる

チャンスは一回、慎重に回答しなければならない。

ここでエセがお題を言い当てられなかった場合、そこでやっと〈芸術家〉の勝利だ。
芸術家同士でハイタッチをする権利が得られる。存分に喜んでほしい。

ここが好き!|もどかしさとデタラメさ

エセ芸術家にお題がバレてはいけないわけなんだけど、これがなかなか難儀する。
芸術家たちは仲間に「俺は芸術家だ! エセ芸術家は他にいる!」ってことを伝えたいから
お題を知っていることをアピールしたいんだけど、
お題を連想し易すぎるものを描いてしまうとエセにお題がバレてしまう。
かといって遠回しなものを描きすぎると他の芸術家たちから信用してもらえない。
「あいつは当てずっぽうに描いているような気がする。エセなんじゃないか」
と疑われてしまう。
非常にもどかしい! でもこのもどかしさがこのゲームのキモなのだ。

そして私が一番気に入ってる点は、完成(?)した絵のデタラメさ
ゲーム終了後、完成した絵のタイトルに出題されたお題を当てはめると
大変シュールでよろしいのだ。
一例として、私と友人がプレイした時に完成した絵画を載せておく。

解説すると、左が「犬も歩けば棒に当たる」の棒で、右上のW型の部分が犬の口。
右下のが犬の胴体と足。
Wの上の四角いのは、エセ役の友人がなんの見当もつかずに勘で描いたナニカ。
なんだって言ってたかな……。
出来上がった絵があまりに『犬』からかけ離れていて、
ゲーム終了後しばらく笑い転げていた。

 まとめ

和製アナログゲームの名作といっていいんじゃないだろうか
手軽に遊べて、アナログゲーム入門にもぴったりだ。
ルールのハードルの低さ、というのはそれだけで価値がある。
なんと言っても、ハードルが低いと誘いやすい。
多人数いないと遊べない、
というのが多くのアナログゲームが抱える欠点のひとつであるが故に、
「簡単だからやってみようよ」と手を引っ張ることのできるのは大変な強みだ。
そしてそのままアナログゲーム沼に引きずり込んでやれ。

パッケージが小さいのも◎
タバコの箱よりもちょっと大きいくらいなので、まったくかさばらない。
旅行の時に、トランプ代わりに持って行ったりすると意表を突けるかもしれない。
大学の休み時間なんかで友達を誘って遊んでみるのもいいだろう。
この手の騙し合いゲームに興味を持っている人は意外と多い。
持ち運びのしやすさでは、オインクゲームズ製のタイトルは群を抜いている。

ミニマムで、ラフで、デタラメなゲーム、『エセ芸術家、ニューヨークへ行く』。
おすすめだ。ぜひ手にとって遊んでみてほしい。