『ABZÛ 』ゲームレビュー|海の全てを表現した短編アドベンチャー

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『ABZÛ』、日本での発売が待ちきれず、
海外で発売してすぐに北米アカウントを作成して購入してしまった。

あの美しき名作、『風ノ旅ビト』のクリエイターたちが作りあげた海洋アドベンチャー。
海の生物が好きな私に、買わない理由はなかった。

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『ABZÛ』を紹介したからにはこれを紹介しないわけにはいかない。 というわけで大急ぎでキーを叩いている。 「PS3で一番好きだったゲーム...

北米アカウント作るの、ちょっと手間だったけど。
おそらく日本で発売してから買ったほうが安かったけど。
全然後悔していない。
むしろ英断を自賛して止まない。
購入してまったくの正解。

どんなゲーム?

前述したとおり、本作は「海洋アドベンチャー」だ。
2016年11月現在、北米PSストアとSteamで販売されている。
海には遺跡が散見され、海洋生物と戯れながらそれらの謎を追うのが本作の主旨となる。

海洋アドベンチャーと銘打たれているだけあって、全編の9割は水中にいることになる。
そのため、操作の快適さに関しては『風ノ旅ビト』に一歩譲る。
マリオ64の陸上ステージと水中ステージの差のようなものだ。
最初こそ不慣れで若干ストレスを感じたが、
ものの10分もすればかなりスムーズに操作できるようになった。
そうなってしまえば最早このゲームの快感を遮るものはなにもない。

ここが好き!|不足なく表現された海のエネルギー

ここまで「海」を感じることのできるゲームを、今までプレイしたことがない。
プレイ時間にして3、4時間程度の作品で、よくここまで掘り下げてくれた。

およそ海から与えられるすべての力を体感させてもらったように思う。
浅さと明るさと安心。
流れ、群れ、ヒエラルキー。
深さと闇と不安。
テクノロジー、未知への恐怖。
物語のパーツとして組み込まれていた、友情や敵の存在でさえも、
海の様々な側面に自然に溶け込んでいた。

風ノ旅ビトに比べ、単純に生物の数が増えた。
それによって世界が格段に広く、奥行きのあるものに変化している。
実際に行動できる範囲以上に、ABZÛの世界を感じることができるだろう。

そして繰り返しになるが特筆したいのは、そのプレイ感。
「移動しているだけで気持ちがいい」というのは、
『風ノ旅ビト』や『Flowerly』にも見られた特徴だ。
前述した通り、操作の快適さは『風ノ旅ビト』に一歩譲るが、
それでもこの快感が色褪せることはない。
どこから来るのか、この快感は。
「風景がきれいだとドライブが楽しい」とか、
そういう感覚と根源を同じくしているようにも感じる。

まとめ

『ABZÛ』、日本でも売るって言ってたのに音沙汰ないな。
どうなったんだろうか。
北米で発売してからもう3ヶ月経つけど。
日本で発売された暁には、是非チェックしてもらいたいタイトルだ。

風ノ旅ビトしかり、あのミニマムな造りで
よくここまで完成度の高いアドベンチャーを作れるものだと本当に感心する。
海にあって育まれる無口な友情と、深くて寂しい海底に隠された真実、
ぜひ目の当たりにしてもらいたい。

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